セッション構成一覧

▼ セッションテーマ概要(Gは基盤セッション、Sは特別セッション)
*は各セッションの代表コンビーナー

基盤セッション

G1 大気とその境界面における地球化学

コンビーナー:

  • *岩本洋子(広島大)y-iwamoto(at)hiroshima-u.ac.jp
  • 谷本浩志(環境研)tanimoto(at)nies.go.jp
  • 中川書子(名古屋大)f.nakagawa(at)nagoya-u.jp
  • 宮﨑雄三(北大)yuzom(at)lowtem.hokudai.ac.jp
  • 伊藤彰記(JAMSTEC)akinorii(at)jamstec.go.jp
  • 大森裕子(筑波大)omori.yuko.ft(at)u.tsukuba.ac.jp


招待講演:秋元肇(環境研)気候変動と化学
招待講演:永塚尚子(極地研)グリーンランドアイスコアから復元する過去100年の鉱物ダスト起源とその変動要因の解明

地球温暖化,成層圏オゾン層破壊,大気汚染など,大気組成の変化に起因する地球環境問題を理解するためには,人為起源・自然起源等に由来する大気成分の挙動を詳細に把握することが不可欠である。また,大気圏と水圏・生物圏・陸圏・人類圏との相互作用は地球表層の生物地球化学的な物質循環および気候に影響を与える。本セッションでは,フィールド観測,室内実験,数値モデリング等,様々な地球化学的手法を用いて計測・解析された大気成分の放出・輸送・化学変質・放射・沈着について議論を行う。IGAC,SOLAS,iLEAPS,CATCHなどの国際的な研究プロジェクトに関連する,大気とその境界面(海洋,陸域,雪氷など)との相互作用を扱う研究発表も歓迎する。

G2 環境地球化学・放射化学

コンビーナー:

  • *板井啓明(東大)itai(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
  • 田中万也(JAEA)tanaka.kazuya(at)jaea.go.jp
  • 坂口綾(筑波大)ayaskgc(at)ied.tsukuba.ac.jp
  • 淵田茂司(東京海洋大)sfuc001(at)kaiyodai.ac.jp
  • 宮川和也(JAEA)miyakawa.kazuya(at)jaea.go.jp
  • 高橋嘉夫(東大)ytakaha(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
  • 山口保彦(琵琶湖環境科学研究センター)yamaguchi-y(at)lberi.jp
  • 若木重行(JAMSTEC)wakaki(at)jamstec.go.jp


基調講演:角皆潤(名大)同位体環境化学の現在地と展望
招待講演:石田卓也 (広島大)リン循環解明に向けたリン酸酸素安定同位体比の可能性
招待講演:太田朋子(長岡技術科学大)樹木中の放射性セシウムの挙動

水圏や土壌圏における物質循環の理解は, low temperature geochemistryの伝統的課題であるとともに, 持続可能社会の提案において発展が期待される分野でもある. 本セッションでは, 物質動態への水-鉱物系化学反応および生物過程の寄与評価,重点化学物質のモニタリング研究,安定/放射性同位体トレーサーの開発, 有害物質除去や有用元素回収などの研究を幅広く取り扱う. また, 福島原発事故から11年が経過したが, 事故由来の由来放射性物質に関する研究は今なお重要であり, 廃棄物処分に関わる地球化学的プロセスについては, 継続的な研究が求められる. この分野は過去10年において拡大しており, その知見を集約させる議論の場としても位置付けたい. 応用研究との接点において重要な基礎研究課題として, 有機-無機相互作用, 微生物の関与するプロセス, 元素の反応輸送モデル, などに注目した研究も歓迎する。

G3海洋の地球化学

コンビーナー:

  • *高野祥太朗(京大)takano.shotaro.3r(at)kyoto-u.ac.jp
  • 張勁(富山大)jzhang(at)sci.u-toyama.ac.jp
  • 井尻暁(神戸大)ijiri(at)maritime.kobe-u.ac.jp
  • 小畑元(東大)obata(at)aori.u-tokyo.ac.jp
  • 大木淳之(北大)ooki(at)fish.hokudai.ac.jp

基調講演:一色健司(高知県立大)外洋域および熱水域におけるクロムの分布および分布に影響を与える要因
招待講演:小林英貴(東大)最終氷期最盛期における海洋炭素循環のモデリング研究

海洋およびその境界域における物質循環および反応過程を議論する。主要および微量元素の濃度・同位体組成の海洋分布やそれらの生物地球化学循環に関する研究発表を行う。観測・化学分析に限らず、数値シミュレーションや生物活動との関わりなど、海洋における物質循環の理解を深める理論的・実験的なアプローチからの発表も歓迎する。また、海洋・地球化学的パラメータの新たな計測手法の開発に関する発表も対象とする。

G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学

コンビーナー:

  • *上野雄一郎(東工大)ueno.y.ac(at)m.titech.ac.jp
  • 瀬戸繭美(奈良女子大)seto@ics.nara-wu.ac.jp
  • 尾﨑和海(東工大)ozaki.k.ai(at)m.titech.ac.jp
  • 大竹翼(北大)totake(at)eng.hokudai.ac.jp
  • 高野淑識(JAMSTEC)takano(at)jamstec.go.jp
  • 須田好(産総研)suda-konomi(at)aist.go.jp

基調講演:野崎達生(JAMSTEC) 海底熱水鉱床の初期生成プロセスにおける微生物活動の重要性~局所硫黄同位体分析の視点から~
招待講演:中村龍平(東工大)Geo-Electricityが駆動する窒素サイクル
招待講演:五十嵐健輔(産総研)鉱物に駆動された化学進化: 生体分子を生んだ触媒反応についての研究動向と今後の発展性

生命が関係する地球化学プロセスの研究、および地球化学的手法を用いた生命と 生命圏の研究について、場所や時代、時空間スケール、元素・物質、研究手法 (分析、観測、実験、計算 等)を問わず、広く発表を募集する。例えば、生命誕生の場となった初期地球環境と化学進化、全球スケールの元素循 環メカニズムの理解、現代の多様な環境における生物地球化学プロセスの解明、 生物活動に伴う資源形成プロセスの解明、同位体比・バイオマーカー等の分析に よる過去や現代の生態系構造の把握などを含むが、こうした例に限定されるものではない。本セッションでは、様々な研究対象と研究手法を扱う研究者が、「生命圏の地球 化学」のキーワードでつながり、幅広く意見交換できる場となる ことを目指す。

G5 古気候・古環境解析セッション

コンビーナー: 

  • *長島佳菜(JAMSTEC)nagashimak(at)jamstec.go.jp
  • 黒田潤一郎(東大)kuroda(at)aori.u-tokyo.ac.jp
  • 淺原良浩(名大)asahara(at)eps.nagoya-u.ac.jp
  • 堀川恵司(富山大)horikawa(at)sci.u-toyama.ac.jp
  • 窪田 薫(JAMSTEC)kubotak(at)jamstec.go.jp
  • 梶田展人(弘前大)kajita322(at)frontier.hokudai.ac.jp
  • 西田梢(筑波大) nishida.kozue.fw(at)u.tsukuba.ac.jp
  • 丸岡照幸(筑波大)maruoka.teruyuki.fu(at)u.tsukuba.ac.jp

招待講演:岡﨑淳史(弘前大学)データ同化とイノベーション統計を用いた古気候復元と気候プロキシに含まれる誤差の推定
招待講演:澤木佑介 (東京大学)希土類元素地球化学の原生代前期炭酸塩岩への応用

気候変動の理解には、様々な時空間スケールで現象を捉える、多角的な視点が必要不可欠である。そこで本セッションでは、多様な試料(堆積岩・堆積物、生物源炭酸塩、樹木、アイスコア、鍾乳石、考古資料など)から読み取られた様々な時間スケール(10億年から1日まで)・空間スケール(ローカルからグローバル)の気候や環境変動について議論を行う。また、得られた地球化学データを組み込んだ数値シミュレーションや環境解析に有用となる分析・解析手法の提案についても歓迎する。 

G6宇宙化学:ダストから惑星、生命へ

コンビーナー:

  • *小池みずほ(広大)mizuhokoike(at)hiroshima-u.ac.jp
  • 飯塚毅(東大)iizuka(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
  • 古川善博(東北大) furukawa(at)tohoku.ac.jp
  • 藤谷渉(茨城大) wataru.fujiya.sci(at)vc.ibaraki.ac.jp
  • 羽場麻希子(東工大)haba.m.aa(at)m.titech.ac.jp
  • 橘省吾(東大)tachi(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp

基調講演:永島一秀(ハワイ大)リュウグウ試料の局所その場同位体分析からわかったリュウグウ母天体の水質変成温度と年代
招待講演:津田雄一(JAXA) はやぶさ2によるC型小惑星サンプルリターンの完遂 -その飛行概要と成果

近年の宇宙化学分野における地球外物質の分析技術や室内実験の発展により、惑星系の形成過程や惑星環境の進化に関する理解は飛躍的に進んだ。一方、アルマ望遠鏡を用いた観測成果や多様な系外惑星の発見、理論研究の発展などから、これまでの惑星系形成論は見直される段階に来ている。さらに、探査機「はやぶさ2」により持ち帰られた小惑星リュウグウ試料の分析からは、その組成が始原的隕石に類似する一方、地上での風化や汚染のない新たな地球化学の標準試料となりうることが判明した。惑星系形成の普遍的理解のためには、地上研究と惑星探査による体系的なアプローチが必要不可欠である。本宇宙化学セッションでは、地球外物質科学と天文学・惑星地質学・環境科学・地球電磁気学・宇宙工学などとの新たな連携を図り、地球と生命の起源につながる惑星系形成過程や、惑星環境との比較を通じた地球環境進化の更なる理解に繋げたい。

G7素過程を対象とした地球化学

コンビーナー:

  • *柏原輝彦(JAMSTEC):teruhiko-kashiwa(at)jamstec.go.jp 
  • 福士圭介(金沢大): fukushi(at)staff.kanazawa-u.ac.jp
  • 高橋嘉夫(東大): ytakaha(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
  • 阿部穣里(広大):minoria(at)hiroshima-u.ac.jp
  • 古川善博(東北大):furukawa(at)tohoku.ac.jp
  • 丸岡照幸(筑波大)maruoka.teruyuki.fu(at)u.tsukuba.ac.jp
  • 鍵裕之(東大):kagi(at)eqchem.s.u-tokyo.ac.jp

基調講演:太田充恒(産総研)地球化学図の水理解析に基づく流域の主要岩相と河川堆積物の化学組成の関係性
基調講演:谷水雅治(関西学院大)金属元素同位体研究による地球表層での化学反応素過程の把握
招待講演:土屋卓久(愛媛大)液体鉄ー熔融ケイ酸塩間における元素分配の第一原理計算
招待講演:白石史人(広島大)微生物による鉱物形成過程から読み解く地球史・生命史

地球化学の醍醐味の一つは、宇宙にまでおよぶ大きなスケールで観測される様々な現象と、それらを構成する原子・分子の相互作用にまでおよぶミクロな現象との間のダイナミックな関係性を追求する点にある。本セッションでは、宇宙・地球・生命システムで見られる様々な現象を構成する“素過程”を対象とした研究を広く募る。大気圏・水圏・固体圏・生物圏およびそれらの境界面で起こる物理・化学・生物反応を想定し、素過程を理解することで見えてくる地球・生命システムの姿を議論することを目指す。素過程を対象とした研究であれば、天然試料の分析、室内実験、各種理論および数値計算、分析法の開発、微量元素、同位体、微生物学など、いかなる分野も包含する。

G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化

コンビーナー:

  • *角野浩史(東大)sumino(at)igcl.c.u-tokyo.ac.jp
  • 下田 玄(産総研)h-shimoda(at)aist.go.jp
  • 秋澤紀克(東大)akizawa(at)aori.u-tokyo.ac.jp
  • 土岐知弘(琉球大)toki(at)sci.u-ryukyu.ac.jp
  • 谷口無我(気象研)myaguchi(at)mri-jma.go.jp
  • 鈴木勝彦(JAMSTEC)katz(at)jamstec.go.jp
  • 石川剛志(JAMSTEC)t-ishik(at)jamstec.go.jp

基調講演:飯塚理子(ハーバード大)地球コアにおける軽元素と水のふるまい:高温高圧中性子回折実験によるアプローチ
基調講演:清水健二(JAMSTEC) 火山ガラスとメルト包有物の揮発性物質からみた地球内部水循環
招待講演:相澤広記(九州大)電気比抵抗構造と同位体比の関係から探るマグマ性流体上昇経路と地震発生
招待講演:大場司(秋田大)水蒸気噴火噴出物からみた火山熱水系

地球内部での元素移動は、地球の化学的進化とダイナミクスを考える上で重要である。地球深部での元素移動は主としてメルトを含む流体の移動によって引き起こされると考えられており、地球誕生から続く元素移動の結果として現在の地球の化学的構造がある。この地球の化学的進化を解明するには、地球内部の様々な深さを起源とする海洋玄武岩,島弧火成岩,マントル捕獲岩,オフィオライト,変成岩等の固体試料を用いた研究と、表層付近での元素移動の媒体である流体、すなわち地下水・温泉・湧水・熱水・間隙水・火山ガスの研究を組み合わせることが必要である。また、元素移動の包括的な理解のためには、上記の地球化学的な研究と物質科学的・実験岩石学的研究,および観測・理論・シミュレーションを用いた研究など多様な分野の連携が不可欠である。本セッションでは,広範な関連分野の議論からから地球の化学的進化に対する統一的な描像を得ることを目標とする。

G9 地球化学のための最先端計測法の開発、および、境界領域への挑戦

コンビーナー:

  • *大野 剛(学習院大)takeshi.ohno(at) gakushuin.ac.jp
  • 坂本 直哉(北大) naoya(at)ep.sci.hokudai.ac.jp
  • 癸生川 陽子(横浜国大) kebukawa(at)ynu.ac.jp
  • 纐纈 佑衣(名大) kouketsu(at)eps.nagoya-u.ac.jp
  • 平田 岳史(東大) hrt1(at)eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
  • 南 雅代(名大)minami(at)nendai.nagoya-u.ac.jp
  • 福山繭子(秋田大)mayuko(at)akita-u.ac.jp 

基調講演:坂本直哉(北海道大)同位体顕微鏡を月面に設置する
招待講演:笹公和(筑波大)加速器質量分析法による宇宙線生成核種の検出と地球化学への応用
招待講演:纐纈佑衣(名古屋大)ラマン分光法を応用した地質温度圧力計の開発と応用

地球化学の発展の歴史は、分析手法の進歩・研究対象の多様化の歴史と言っても過言ではない。特に最近は、分析技術の高精度化、実験手法の高度化、計算化学・データ解析技術の多様化や新概念の導入に伴い、地球化学的知見の質と量が飛躍的に向上している。本セッションでは、地球化学の更なる発展を目指し、野心的な最先端計測法の開発や、異分野からの発表を広く募り、地球化学の新地平を切り拓くための議論の場を提供したい。

特別セッション

S1 地球化学で拓く地球掘削科学

コンビーナー:

  • *池原実(高知大)ikehara(at)kochi-u.ac.jp
  • 西尾嘉朗(高知大)yoshiro(at)kochi-u.ac.jp
  • 井尻暁(神戸大)ijiri(at)maritime.kobe-u.ac.jp
  • 佐野貴司(科博)sano(at)kahaku.go.jp

招待講演:星野辰彦(JAMSTEC) 海底下堆積物の微生物多様性
招待講演:中岡礼奈(神戸大)海底掘削試料から明らかになった鬼界カルデラ火山噴出物の特徴

地球掘削科学は海底や陸上で地層や岩石を掘削することを通し地球の様々な営みを理解する分野融合的学問領域であり、古環境解析、地球内物質循環、地下生命圏、海底資源、地震断層、火山等の幅広い研究分野とリンクしている。ピストンコア試料や掘削コア試料の科学的解析には、地球化学が重要な割合を果たしている。2022年度の年会開催地である高知には、国内の地球掘削科学の拠点である高知コアセンターがあり、多様な分析解析設備とコア保管機能をコミュニティに公開しながら研究教育活動を展開している。本セッションでは、地球掘削科学のさらなる進展を目的として、IODP掘削コア、陸上掘削コア、海洋コア、湖沼コアなどを用いた地球化学的研究の成果を集約するとともに、新たな分析法や試料前処理法の開発・高精度化による地球掘削科学の新展開についても議論する。関連する幅広い研究分野の発表を歓迎する。

S2 太平洋プレートの変遷史

コンビーナー:

  • *平野直人(東北大)nhirano(at)tohoku.ac.jp
  • 町田嗣樹(千葉工業大)shiki.machida(at)p.chibakoudai.jp
  • 秋澤紀克(東大)akizawa(at)aori.u-tokyo.ac.jp

基調講演:鹿児島渉悟(富山大)日本海溝海側斜面における間隙水の同位体組成と流体循環
基調講演:見邨和英(千葉工大)太平洋の遠洋性粘土に見られる地球化学的バリエーションとそのグローバル物質循環における重要性
招待講演:藤江剛(JAMSTEC) 日本列島に沈み込む太平洋プレートの実態 − 北西太平洋における地震構造探査研究 −
招待講演:藤井昌和(極地研)中央海嶺の時間変動要因の解明を目指して:太平洋チリ海嶺における観測例

千島海溝から日本海溝、伊豆小笠原マリアナ海溝にかけて沈み込む太平洋プレートは、プレート境界型巨大地震や多くの島弧型火山を発生させている。それにもかかわらず、沈み込む太平洋プレートの実体が分かってきたのはごく最近である。特にその科学的進展を後押ししたのは、2000年代より行われてきた重点的な海底構造探査や、プレート境界断層の岩石採取、S-net観測網の構築、およびプチスポット火山の発見であった。それ以降、海溝海側斜面の断層運動による水の浸透やプチスポットマグマ形成の理解が進み、沈み込むプレートの構成岩石や化学組成が大きく改変されていく様子が解明されつつある。本セッションでは、地球化学を主軸に、地質学や岩石学、地球物理学の見地をふまえ、中央海嶺で形成されてから沈み込むまでの太平洋プレートの変化をとらえ、学際的な議論を行う。

S3 希土類元素の宇宙化学・地球化学

コンビーナー:

  • *日高 洋(名古屋大)hidaka(at)eps.nagoya-u.ac.jp
  • 中田亮一(JAMSTEC)nakadar(at)jamstec.go.jp
  • Seung-Gu Lee(韓国地質資源研究院)sgl(at)kigam.re.kr

基調講演:田中剛(名古屋大)138La-138Ce放射年代測定への歩みとChart of the Nuclides 
基調講演:赤木右(九州大)希土類元素研究から始まった生物化学風化研究 : 氷期—間氷期サイクルにおける炭素循環

惑星物質中に含まれる各希土類元素の濃度を太陽系始原物質であるC1コンドライト等の値で規格化して得られる希土類元素存在度パターンによる情報は、対象となる試料の形成・進化過程を考察する優れた指標の一つとして、宇宙・地球化学の研究分野において半世紀以上もの間、広く応用されてきた。希土類元素の有用性は、元素存在度パターンからの情報にとどまらず、138La-138Ceや146,147Sm-142,143Nd放射壊変系による年代測定あるいは同位体トレーサー、自然界における核反応による同位体変動など、その同位体存在度から得られる情報も多い。また近年では、酸化還元環境の変化に伴うEuやCeの質量依存同位体分別についても関心がもたれている。本セッションでは、元素存在度や同位体存在度に着目した希土類元素の宇宙化学・地球化学の研究例について発表を募り、今後新しい展開につながる可能性についても議論する場としたい。